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障害者雇用促進・石見養護学校進路研修会 レポート

開催日時 平成20年11月6日(木)13時05分〜15時45分
場所 島根県立石見養護学校
主催 島根県障害者就労支援センタージョブ亀の子、浜田公共職業安定所川本出張所、島根県立石見養護学校

内容:
第1部 
① 作業学習見学 園芸班→木工班→窯業班→被服班
  作業学習の中で、挨拶や「できました」という報告、わからない時に聞く、後輩に作業を教えるということなども合わせて学んでおられる。

② (1)石見養護学校の高等部教育についての説明
     【石見養護学校 高等部主事 勝部 教諭】
  (2)石見養護学校の進路指導及高等部卒業生の進路状況説明 
     【石見養護学校 進路指導部長 光田 教諭】
  現在の養護学校での取り組みと企業への雇用に至るまで、アフターケア等について説明。

③ 障害者雇用支援制度の説明
  【浜田公共職業安定所川本出張所 川島 一慶 氏】
  委託訓練と職場適応訓練の違い、トライアル雇用やジョブコーチ等について説明。

第2部
④ 島根県障害者就労支援センタージョブ亀の子説明
  【島根県障害者就労支援センタージョブ亀の子 就労支援ワーカー 山内 将高】
  就労支援センターがどのようなことをしているか、チーム支援、事例等をあげて説明。

⑤ 講演会『企業で障害者を受け入れるためには』
  【有限会社カネコウ中川 代表取締役 中川宏 氏】
現在3名の知的障害者と1名の聴覚障害者の方、計4名の障害者の雇用の現場や過去の知的・精神障害者の雇用経験から会社現場での良い点、大変な点を分かりやすくお話いただく。

(以下、概略)

会社で障害者雇用をし始めて8年目。その前20年間は、西川病院からの退院前訓練(体験や社会適応訓練事業)の受け入れをしてきた。現在3名の知的障害者(男性2名、女性1名)と聴覚障害者(女性1名)を雇用している。過去には身体障害者、精神障害者も雇用してきた。今回は3名の知的障害者の方について話す。3名ともいろいろありながらも頑張っている。
企業が障害者を受け入れるためには、障害者もそれぞれ十人十色だからハローワークやジョブ亀の子などにどういう人がいいかしっかり相談をしてミスマッチを減らすことが大切である。

カネコウ中川では、受け入れるための最低基準は「日常生活がきちんとできる人」「危険回避能力がどの程度あるか」「家庭の状況をしっかり把握すること」が必要と考える。雇用・実習を受け入れる時まずは数ヶ月本人の様子を見ることで、何ができて何ができないのか把握できる。賃金が安くても続けていられる場所を作るために、最低賃金適応除外をする場合もある。体重が重くて作業能力的に難しいと判断した知的障害者の雇用ができなかった時、本人に「もう明日から来ちゃいけないんですね」と言われた時には涙が出る思いだった。

知的障害者の場合は、健常者のスピードまでとは言わないが、着実に少しずつ成長している。企業側はこう言えばこう動くと読んで先の先を見越して作業をやらせる。(表を磨いて裏をやらないようにと言ったら側面を磨いてしまったことがあった。)健常者でもいきなり来て確実にやってくれる人もいないし、すぐにやめてしまう人も多いため、障害者、健常者ということは関係ない。本人との意思の疎通ができるかどうかが大事。

・支援者は企業内の細かい業務を把握する必要がある。
・学校で訓練してほしいのは、あいさつの習慣、数字や簡単なことを書く習慣、辛抱する習慣を継続してできるようになってほしいということ。またカネコウ中川では特に食品関係のため、衛生面も指導してほしいと考える(歯磨き、お風呂、毎日着替える等)。これまで学校で指導してきたことを企業へバトンタッチするのだと考えてほしい。
・障害者を雇用して嬉しかったことは、「ここに来て良かった」と言ってくれた時や少しずつ成長していくのを見るのが楽しい。それに嘘をつかないこと。

自分はこれまでに様々なうそをつかれだまされてきたが、知的障害者は嘘をつかない。ついてもすぐわかる嘘である。自分の祖父が弁護士だったが、40歳で辞める。その後常に一人知的障害者を自分の近くにおいておくことがあった。嘘をつかない素直さが心地よかったのではないか。
今後、企業でも一度障害者の実習や雇用の受け入れを考えて見られてはどうか。
(以上)

ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。

進路指導及高等部卒業生の進路状況説明講演会の様子

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