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平成24年度島根県障がい者就労支援ネットワーク強化・充実事業 障がい者雇用促進研修会レポート

1.日 時:平成24年10月26日(金) 14:00~16:00

2.場 所:大田商工会議所 2階 研修室1・2

3.参加者:10企業(12名) 14機関(14名) 計26名

4.主 催:大田障がい者就業・生活支援センタージョブ亀の子
      石見大田公共職業安定所
      浜田公共職業安定所川本出張所

5.内 容

① 株式会社ワイテック石見工場 副工場長 河鰭 正信 氏

1971年 設立 従業員93名
マツダデミオの自動車部品を主に製造しており、「6Sを徹底し、安全で楽に高品質のもの造りができるラインの構築」を工場方針としている。安全への取り組みについて人間工学を取り入れて、どの方でも疲れにくい姿勢で仕事できるようになど工夫をしている。又、厚労省と共同で高齢化に備えた職場改善など色々な活動に取り組んでいる。

本山さんは、チャレンジ事業を10日間行い、その後トライアル雇用を利用した。現在、管理グループの庶務の仕事をしてもらっている。庶務の仕事はとても大変で、更衣室やトイレ掃除、100mくらいの建物が6棟あるがゴミ分別も非常にがんばってくれている。あいさつがとても気持ちよく、社員からも評判よい。外部のお客様にもとても好印象を持ってもらい、工場周辺の枯葉を拾ってくれたりなどはお願いしてなくても本山さんが自らすすんでやってくれている。トイレの掃除は、素手でやってもらうのを方針としており、本山さんもそのようにやってくれている。石見養護学校の生徒さんが実習に来られた時には指導もしてもらった。本山さんが勤めだして、社員の意識も変わってきた。

② ワイテック石見工場 従業員 本山 和宗 氏

私は、ワイテック石見工場の管理グループ庶務課に所属し、清掃業務をしている。勤務時間は、8時から16時まで、出勤曜日は月から金までで、たまに土曜出勤がある。川本町に住んでいるため、通勤はバスでしている。仕事が始まるまでに会社がきれいになっていると、会社の皆さんやお客様が気持ちよく一日の始まりをむかえることができるから会社に着くと自分からすすんで落ち葉拾いをしている。1年前ワイテックに勤める前に見学をした時、河鰭副工場長に、会社のえらい人がきてトイレの便器裏を素手でチェックすると言われた。私の中ではわかりやすい説明で、そこまできれいにすることだと思った。ゴミの分別もするが、大きな工場なので分ける種類も多く、メモをとり一生懸命覚えた。突然言われる仕事や、突然の天候の変化は苦手で、どうしていいかわからない時には必ず聴くようにしている。ワイテックの仕事をしていて嬉しかったことは、お客様からほめていただくこと。これからもワイテックで働ける限りがんばろうと思う。

〈ジョブ亀の子より補足〉本山さんは、知的障がい自閉症の方。養護学校卒業後就労されたが辞められ、介護サービス科に行かれてまた就労されたが4年で辞められる。その時勤めながら次の就労先を探すためHW、ウインドにも入ってもらい検査したところ特性として対人より対物の方が向いているということがわかり、実習先を探してワイテックで実習を受け入れていただくことになった。チャレンジ、トライアルという流れですすめる中で、ご家族にも入ってもらい常用雇用へとつながった。

③ 有限会社山﨑組 総務部 岩崎 和幸 氏

従業員 28名のうち、障がい者の方は男性2名

土木、建築、産廃の仕事など幅広くやっている中で、渡津さんには産業廃棄物処分業の部門で仕分けの仕事を主にやってもらっている。障がい者雇用の経緯は、まず3Kには人がなかなか集まらないため、どうしたら人が増えるか考えていたところで、平成22年マルワ環境の視察に行ったことと平成22年度の障がい者雇用促進研修会に参加し、見学の受入から始める。

今雇用している渡津さんは、チャレンジ事業と障がい者委託訓練、トライアル雇用と少しずつステップアップしていき、今年6月に採用した。8時から17時までで、作業中は周りの従業員にも渡津さんに気がつけるよう安全ベルトを着用してもらったり、長靴と目を保護できるメガネがついている通常より重たいヘルメットをしてもらったりと工夫している。よくちょっとした怪我(釘を踏んだり、つまづいたりなど)をされるが事後報告が多く、予防対策としてKY(危険予知)ミーティングをしたり、週に1回は話をする時間を作ったりしている。障がい者雇用は不安や心配も多いが、職員研修の実施や作業指示書の作成など今後色々と取り組んでいく予定。この仕事ができる人をという「仕事ありき」という考え方ではなく、この人にやってもらえる仕事は何だろうかという「人ありき」という考え方をしていきたい。

④ 有限会社山﨑組 従業員 渡津 敏宏 氏

私は山﨑組で廃プラや木クズの仕分けをしている。かがんでする仕事なので腰痛がある。

チャレンジ事業を9月に行い、8時から15時まで真剣に取り組んだ。それから、委託訓練を12月から2月の間3ヶ月行い、1ヶ月ごとに少しずつ時間をのばして体をならしていった。3月からトライアル雇用してもらい、給料が出るので休んではいけないからという思いで、励ましてもらいながら頑張り、6月に正式採用になった。最初は3日くらいでやめたいと思ったが、施設長や職員にカツを入れてもらって頑張っている。私は甘えたところがあるので少しくらい厳しくしてもらうのがよいと思う。この前あとからもう一人入り、先輩になって張り合いも出た。山﨑組には、受け入れてくれて感謝している。早く仕事を覚えて任せてもらえるよう頑張りたい。

〈ジョブ亀の子より補足〉渡津さんには今でも不安なことがあり、頑張りたい気持ちがあるが夜眠れない、それで集中力がなくなってしまうというような生活しづらさがある。それがひどくならないように為に服薬の管理は行うようにしている。

〈2つの企業の発表についての質問〉

(ワイテック河鰭様への質問)危険への心配はなかったか
→(回答)朝礼や月初にミーティングを行い、本山さんにも参加してもらう。議事録を皆にまわして目を通してもらうことによって、共通理解するようにしている。

(山崎組渡津様への質問)働くようになって一番嬉しいことと今後の夢は何か
→(回答)給料をもらえること、そして故郷にお墓を立てること。

⑤ 石見大田公共職業安定所 統括職業指導官 宮内 務 氏

障がい者雇用の現状、障がい者の職業紹介状況と雇用率引き上げについての説明。中ポツ、HWの支援体制についての説明。チャレンジ事業、委託訓練、ジョブコーチ、各種助成金制度について説明していただく。


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