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平成25年度 第1回障がい者就業・生活支援センター事業連絡会議 レポート

1.日 時:平成25年7月12日(金) 13:15 ~ 16:00

2.場 所:あすてらす 3階

3.参加者:30機関 40名 スタッフ4名  合計44名参加

4.主 催:大田障がい者就業・生活支援センタージョブ亀の子

5.内 容
●挨 拶

大田障がい者就業・生活支援センタージョブ亀の子 所長 森山 康仙

●大田障がい者就業・生活支援センタージョブ亀の子 状況報告 黒田恵美子
① 平成24年度の実績について
② 平成25年度4~6月末実績、25年度年間計画について

●情報提供
① 島根労働局 職業対策課 職業対策課 後藤様
・ 平成24年度障害者職業紹介状況の報告
・ 障害者雇用関係等助成金一覧

② 島根県 健康福祉部 障がい者福祉課 福代様
・ 障がい者就労支援事業について
・ 島根県障がい者就労に関するデータ

③ 島根県 商工労働部 雇用政策課 野津様
・ 障がい者の雇用促進・安定事業の概要(平成25年度)
・ 平成24年度「障がい者雇用に関する講演会」

④ 島根障害者職業センター 高見様
・ 障害者の就業支援を行う関係機関の皆様へのご案内
  就業支援基礎研修について

⑤ 島根高齢・障害者雇用支援センター 山本様
・ 技能大会アビリンピック開催について
・ 障害者雇用納付金制度・助成金制度について

⑥ 石見大田公共職業安定所 布野様
・ ハローワーク石見大田管内の障害者雇用状況の報告

⑦ 島根県立東部高等技術校 倉橋様 原様
・ 在校生の実習について
・ オープンキャンパス
・ 平成26年度入校案内
・ 平成24年度 障がい者委託訓練実績
・ 平成25年度 障がい者委託訓練実績

⑧ 大田市役所 社会福祉課 吉岡様
・ 障害者就労支援部会について
     
⑨ 川本町役場 上坂様
・ 障がい者優先調達について
・ 川本町方針案について
     
⑩ 県央保健所 三成様
・ 社会適応訓練事業について

●発達障がいと就労について学ぶ
『発達障がいのある人の就労支援について』
講師 島根県西部発達障害者支援センターウィンド 就労支援員 野村哲也 氏 

内容
センターへの相談は成人期の相談件数が大半を占めており、特に知的を伴わない方が増えてきている。就労したいという相談、仕事をしてる中での困ったことや悩みについての相談、日常生活相談が主だが、診断があって障がい受容もできており障がい者雇用で就労を目指していくケースや、診断がなく障がい受容が難しいケース、仕事の中で発達の疑いが見つかり、本人は就労経験もあるため葛藤があるというようなケースなど様々。

3つの事例を紹介しながらどういう流れで就労に至ったのか、又はうまくいかなかったのかを話していただく。

本人に対しての支援としてはコミュニケーション方法を探ること、できないだろうと決めつけずエンパワメントと引き出すことが大切。「また、なぜそう思うのか、なぜそこを目指すのかを明確にすることで本人の具体的な目標がはっきりしていくことが大事、時には支援しない支援をする場合もある、そうすることにより、支援者の声が届くようになる。それが生きづらさの軽減につながる。

家族に対しては実習などで見えてくる評価などを通して客観的評価をきちんと見てもらい、現状を正確に把握してもらうことが大切。企業に対しては特別扱いではなく、特性のある求職者として見てもらうよう伝えていくことと、情報を一気に伝えていくのではなく、いつのタイミングで、又、どのくらいの量など適切に伝えていくかが重要。
本人と周囲の生きづらさを解消していくことが基準となる。

よくある課題としては、ルールや手順書が守れない、情報が伝わりにくいということがある。その対応としては、ルールを勝手な解釈をしているように感じた時には具体的な指示を周囲がきちんと本人に出せているかを考え、本人はなぜそうするのか、なぜそう考えるのかを明確にすること。また、本人にとっては見えないものはないもの、本人に意味があることを周囲に意味があるようにすることが大切。情報は量を少なくし、コミュニケーションのアセスメントをすること、身体障がいのある人が杖を使うように、発達障がいのある人はスマートフォンがコミュニケーションをとりやすくするための道具になることもある。目に見えない補装具をあつらえるようにと考えていく。

最後に高機能自閉症で清掃業務をしている方の紹介をされる。

その方は丁寧だがスピードが遅い、また変更が効かない方。事業所より清掃箇所を増やしてほしいという相談があり、今やっている仕事のスピードは変えられないため前後就業時間を伸ばして、本人に何度も図を見せて新しい箇所を説明して「もっとこうしてほしい」など本人に聞きながら3週間ずっとついて繰り返しその場所の清掃をされたそう。

何回も確認する性格だが、事業所からの評価はとても高く、なくてはならない存在になっているそう。


〈質疑応答〉

・現在支援している清掃業務をしている方で、別の人がすると20分で済むところを2時間かけてされる。どういう対応をしたらいいか。

→清掃業務のどこに時間がかかっているかを知ることが大切。目印などを置いておき、いつまでにその目印へ行かないといけないというルールを教える。

・発達障がいのある方が就労希望される時に、その内容を事前にどういうようにどの程度伝えるのか不安に感じる。

→手帳があればどういう将来図になるか、将来を想像できるかを本人含め、保護者の方がどう考えているかを知ること、保護者の方が亡き後どういう生活になるのかを考えてもらうことが必要。

・ボーダーの方への就労の進め方、特性をふまえた支援の方向性や現状を教えてほしい。

→ボーダーで診断のおりない方が増えてきている。受験合格された方などであれば努力すればできるのではないかというドクターも増えてきているよう。特性あるなしに関わらず何に困っているか、困り感があるか、その先へ進むにはどうするかを考えていく必要がある。

今年度第1回連絡会議では、発達障がいについて勉強する機会を企画しましたが、多くの関係機関の皆様から事例を具体的に交えてとてもわかりやすくてよかった、参考になったなどの声が聞かれました。又、関係機関の皆様が一同に集まるこの連絡会議は貴重な場だという感想も聞かれ、挨拶を交えながら顔の見える関係作りをされる様子も多々見られました。

ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。

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