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平成26年度島根県障がい者就労支援ネットワーク強化・充実事業 障がい者一般就労体験発表会 レポート

1.日 時: 平成27年1月28日(水)14:00〜16:00

2.場 所: 大田市民センター4階 

3.参加者: 97名 スタッフ7名 計104名

4.主 催: 大田障がい者就業・生活支援センタージョブ亀の子
       大田市就労支援部会(社会福祉課)

5.挨 拶: 大田市就労支援部会 社会福祉課 清水課長

6.趣旨説明: 大田障がい者就業・生活支援センタージョブ亀の子 主任就業支援員 黒田恵美子

7.内 容:

小玉 輝(こだまひかる)氏(在宅から一般就労)

進行 ジョブ亀の子 月森 博美

発達障がい。島根県障がい者チャレンジ事業の実習を経て、平成24年8月から緑風園で就職。施設内清掃が主な業務。
 
① 障害者支援施設緑風園 総務係長 竹崎康弘 氏
(緑風園の紹介と小玉さんの概要説明をスライドショーで紹介)
 知的障がいの方を主とした入所施設。事業としては施設入所・生活介護・短期入所・就労継続B型を行っている。また、地域生活の場としてグループホームや相談支援事業も併せて行っている。生活介護では「個別支援」「介護予防」「生産活動、地域貢献」に分かれて活動している。
就労継続B型では「オリジナルコーヒー」を作っている。生豆の選別から焙煎、販売まで行っている。
もともと支援員等職員が行っていたトイレ清掃や床清掃だったが、行き届かない部分がでてくる。本業が疎かになる等の弊害が生じていた。
そこで、小玉さんと出会い、「支援」と「清掃」を分離することで、施設内での業務分担が確立できるようになった。このことにより、利用者からも「(床がきれいで)気持ちがいい」などと喜ばれるようになった。
小玉さんの勤務態度は非常によく、「おはようございます」「お先に失礼します」など自ら進んで挨拶をする。また、休憩時間等には、所在を明らかにしたうえで外出するなど、自身の管理ができている。

② 緑風園勤務 小玉 輝 氏
(作業風景等をスライドで見てもらいながら発表を進行)

 小中高と普通校を卒業し、平成19年頃一般企業へ就職するも、流れ作業等が出来ず3ヶ月で依願退職。その後アルバイト等をするがそれも長続きしない状況で50社くらい面接を受けるが全て落ちる。
平成23年5月邑南町の障がい者相談支援事業所を橋渡しとして、ジョブ亀の子(月森支援員)とであう。
これが大きな転機となった。素晴らしい支援者に出会ったことに感謝している。「なぜ何度も落とされるんだろう?」「どうしてだめなんだろう?」と考えた時「自分は障がい者なのでは?」という思いが頭をよぎり「このままではいけない。前に進まなくては」という思いから、相談の上、平成24年10月精神障がい者保健福祉手帳取得。並行して、「島根県障がい者チャレンジ事業の実習」を活用して、緑風園(平成23年11月の10日間)石見養護学校(平成24年2月の10日間)で一般就労の見極めを行った。
その後、平成24年3月~7月の間で、石見養護学校で「障がい者ステップアップ雇用制度」を利用。同時進行で緑風園から正式採用のオファーがあり、平成24年8月に緑風園就職。
緑風園では、窓ふきや床掃除、トイレ掃除等行っている。

最後に、これから就職を目指す人たちへ
・自分独りだと思わず、周りを見てほしい。絶対に自分を気にかけてくれる人がいる。
・行き詰った時は、その人に自分の気持ちを伝えてほしい。
・その人が解決方法を一緒に考えてくれるだろう。答えを持っているかも知れない。

小谷桂子(こだにけいこ)氏(就労移行支援事業から一般就労)

進行 ジョブ亀の子 黒田 恵美子

(働く様子等を動画、スライドを用いて紹介。問答形式でやりとり)
知的障がい。グループホームわかば(美郷町)に入居しながら、邑智園の就労移行支援事業を経て、平成26年10月から株式会社トリイに勤務。
就職する前から、就労移行支援事業所でミシン作業をしていたこともあり、好きな作業だった。そのことも手伝って、スムーズに就職できた。
言われたことに腹を立てず、真摯に受け止め、スキル向上に努めている。

一般就労で大切なことは?
・言葉づかいに気をつける
・丁寧に仕事をする
・返事をする
・大きな声を出す(ミシンの声が大きいので、大きな声を出さないと話が通じない)
・早寝早起きをする
・身だしなみをチェックする

仕事はどうですか?
・名前を覚えるのが苦労したが、今は覚えている

大変だったことは何ですか?
・作業で失敗した時に他の仲間に聞けなかった。そのままにしていたら、もっと困ってしまうので、きちんと聞くようにした方が良い。今はきちんと聞ける

将来的な希望は何ですか?
・早く仕事に慣れたい
・グループホームを出て、1人暮らしをし結婚したい

③ 邑智園からのメッセージ
コツコツできる力、素直であるという面、これらが大きな武器になっている。
頑張っている姿をとてもうれしく感じている。仕事を長く続けていけばこれまでとは違う悩みや問題が出てくると思いますが、周りに助けてくれる方々がいることを忘れないでください。

④ 株式会社トリイ 社長 石飛 正人 氏 よりメッセージ
入社してから4ヵ月ほど経つ。最初は「本当に出来るのだろうか」という不安等があったが、小谷さんの「(縫製の)仕事がしたいんだ」という言葉にその心配は吹き飛んだ。就労を支援する人、受け入れる企業も同じ目線で向き合う事が一番だと思います。

⑤ 黒田支援員より
就職が決まってからの成長には目を見張るものがある。
笑顔と素直で憎めないところが、小谷さんのチャームポイント。

出口達也(でぐちたつや)氏(特別支援学校から一般就労)

進行 ジョブ亀の子 加納 靖浩

(働く様子等を動画やスライドを用いて紹介。また、加納支援員と問答)
知的障がい。石見養護学校を平成20年度(平成21年3月)に卒業しすぐに和田珍味へ就職。
養護学校時代から和田珍味で実習していた。食品加工の実習がしたく、地元である五十猛の和田珍味で実習ができると決まった時は嬉しかった。実習を重ねるうちに「いつかは和田珍味で働きたい」という思いが強くなり、高等部3年の2月に内定をもらった時は非常に嬉しかった。
就職当時は、魚を一匹さばくのに30分以上かかっていたが、今では1分とかからない。これも慣れだなと自分で感じている。いつかは(自分自身)輝ける日が来ることを夢見て頑張りたい。
学生時代にやっておいてほしいことは、気持ちの良いあいさつを心がけること。気持ちの良いあいさつをすれば相手も気持ち良くなれるし、何より自分自身が晴れやかな気分になる。

大変だったことは?
・毎日毎日仕事の内容が違うので、仲間に確認しながらやっていかなければならないこと。
・コミュニケーションの大切さを感じた。

うれしかったことは?
・仕事とは離れるが職場の新年会で余興を楽しむこと(カラオケ大好き)

初めてもらった給料はどうでしたか?
・学校時代は両親に支援してもらっていて、1円のありがたみを痛感した。今は両親もリタイヤし、姉と自分とで支えている。仕事があるから給料をもらえる、だから頑張ることが出来る。当たり前のことをしてその対価として「給料」が与えられる。それ以上のことをして「ありがとう」という言葉がついてくる。

これから就職を目指す人へのメッセージは?
・あいさつをきちんとすること
・返事をきちんとすること
・相談をきちんとすること

⑥ 加納支援員より
ONとOFFがはっきりしており、メリハリがきいている。非常に良いと感じている。

⑦ 株式会社和田珍味 社長 和田 氏より (会場にてコメント)
出口くんは当社での障がい者雇用第1号。養護学校時代から知っており、「就職するんだ」という強い意志を感じた。雇用の上で「戦力となるもの」を念頭に置いているが、出口くんはそういう子だった。出口くんがいるから、次も(障がい者雇用を)考えようと言う思いもわいてくる。

質疑応答

質問 一般就労する前と後での、気持ちの変化はありますか
小玉氏 支援してくれる人のおかげで無理なく仕事ができ、ずいぶん楽になった
小谷氏 楽しく仕事が出来るようになって良かった
出口氏 少しでもプラス思考になるように、ON・OFFの切り替えをするようにしている

『発表者出口さんからの異例の逆質問』
会場の方に
質問 家に帰ってからお手伝いをしていますか
該当者が挙手したのち、出口さんより
手伝いをすると働いた気持ちになる。それが最終的に仕事につながると思っている。頑張ってください。


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