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平成27年度島根県障がい者就労支援ネットワーク強化・充実事業 障がい者雇用企業見学会 レポート

1.日 時: 平成27年10月9日(金)13:45〜17:00

2.視察先: ①株式会社 島根県食肉公社
       ②株式会社 和田珍味

3.参加者: 9事業所 参加者人数11名 HW2名 ジョブ亀の子6名 参加者合計19名

4.主 催: 大田障がい者就業・生活支援センター ジョブ亀の子
       石見大田公共職業安定所
       浜田公共職業安定所川本出張所

5.視察報告:

①株式会社 島根県食肉公社

 業務部長 岩谷様、管理課課長 園生様に障がい雇用されている月森彬人さんの仕事をしている様子を見学させていただく。豚を1頭ずつトンネルのような通路に整列させる仕事をされていた。週に2日、1日500頭ぐらいの豚の追い込みをされる。豚に声をかけたり、スティックを使用しながら手際よく整列させておられた。

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 次に場所を移動して代表取締役専務 熱田様よりお話をしていただく。
 家畜を食肉に変える所は県内でも1ヶ所しかない。「命を大切にする現場」。沢山の人の手を借りないとパックまでにはいかない。肉はメインディッシュ、そこには家族の笑顔がある。一切れ一切れのg単位が命の大切さだと思っているとおっしゃっていた。毎年供養祭をされている。
 衛生管理上の理由で会社内は見学が出来ないかわりにDVDで、会社内を説明していただく。

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 業務部長 岩谷様より月森様の雇用についてお話をいただく。
 最初、雇用は難しいのではないかと思った。刃物を扱う箇所が多い。BSE、O-157などが発生し菌をださないようにしないといけなく、とても厳しく管理をしないといけない。仕事をしてもらう場所があるのか、どこの場所でできるのか、島根障害者職業センター、HW石見大田、ジョブ亀の子と一緒になり相談した。
 今現在、豚の追い込み・水洗い・牛の内臓洗浄の仕事をしておられる。すべての障がい者に合うわけではない。今後、雇用することがあれば、適正を見ながら進めていかなければならない。現場の職員には月森さんの事はお伝えをしておられる。


質疑応答

Q 障がい者雇用をしてのメリット、デメリットは。
A メリット→障がい者雇用をしたことで責務、責任がでる。自分たちも日々勉強させてもらっている。
  デメリット→応用がきかない。決まったことは出来る。誰かがついていないといけない。

Q 雇用される時、本人の相談場所はあったのか。
A チャレンジ実習を10日間した。実習後毎日帰る前に課長と話をして帰っていた。

Q 今後雇用を増やしていく予定はあるか。
A 人材として出来る方なら進めていかなければならない。

Q 今後合う方がいれば短時間の仕事は可能か。
A 業務内容によっては可能。

Q 他の部門に代わることはあるか。
A 本人がやってみたい所があれば話し合いをして決めたい。

Q 島根県障害者職業センターに切り出し作業をしてもらってどうだったか。
A 初めてなので何をどうしたら良いか、正直困っていた。会社側が安心できたし、心構えが出来た。

Q 障がい者と従業員との待遇の差はあるか。
A 極端な差はない。最初は臨時雇用。4月からは正規雇用になっている。


②株式会社 和田珍味

 最初に出口達也様よりお話をしていただく。
 和田珍味との出会いは8年前に石見養護学校の実習をさせてもらった事。実習を5回ぐらいされ、「内定2週間前にやっと社長さんと会い、お話をすることができた。とても厳しい社長さんだった。
 ふぐをさばくのに、1ぴき30分ぐらいかかっていた。やるしかない!自分で考えるしかない!15分が10分に・・今では1分でさばける様になった。
 1年目、母が入院した時社長さんから、大変な時期かも知れないが、勤務時間を延ばしてもらえないか、と言われた時、やっと認めてもらえたのではないかと思った。
 社長さんに障がい者の方をもっと雇用してほしいとお願いをしたけど断られたが、4年目にしてやっと障がい者雇用を考えてもらえる様になった。」と熱く語られた。
 工場だけではなく、イベントのある時は本店のお手伝いもしておられる。
 5年目ぐらいに挫折した時期もあったけど、今はとても楽しいとおっしゃっていた。
 会社を楽しく、明るくしたいので、自分から明るく挨拶をするように心がけておられる。
 入社してからずっとノートをつけておられ、ノートを読み返しながら、初心の心を忘れてはいけない!と思って日々仕事をされておられる。
 会社が理解をしてくれたから仕事が出来ている。応援してくださる方に対して頑張っていきたいとおっしゃっていた。

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質疑応答(出口様)

Q ストレスの発散は?
A 休日にAKB48のビデオを見たり、友達と遊んだりしている。
  日曜日の昼頃から仕事モードに切り替えている。
  地域への活動でイベント等のボランティアをしている。
 
Q しんどい時、つらい時はありますか。
A 仕事ではつらいと思ったことはない。給料日は嬉しいが、お金を振り分けたりこの位は残して
  おいた方がいい、と考えるのがしんどい。

Q 仕事で得意な事は。
A 重たいものはお任せ下さい。接客も好きです。
 
Q 集中してどのくらいふぐをさばく事ができますか?
A やれと言われればずっと出来る。
 
 社長様よりお話をいただく。
 最初、実習をさせてほしいと石見養護学校より相談があった。どんな仕事が出来るのか?想像が出来なかった。断りたかった。出口さんが実習をしている時、休憩中、職員に「自分はここで働きます」と言っておられた。無理なのでやめた方がいいと思っていた。石見養護学校の先生の絶対迷惑をかけないので出口さんを働かせて下さいと熱い思いもあり、しかたがないという気持ちが最初あった。
 挨拶やコミュニケーションは取れている。入社当時車の運転も20kmを4時間ぐらいかけて行っていた。今は普通に運転が出来ている。あきらめずにする姿を見てやってみないとわからない、という気持ちになった。制限はあるが一つずつ克服してやっている。今は戦力となってやってもらっているとおっしゃていた。
 今後は出口さんを中心にしたチームが作れればいいと思っている。労働環境を良くして沢山の方に働いてもらいたいとおっしゃっていた。

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質疑応答(社長様)

Q 出口様が厳しいとおっしゃていた。他の職員の方にも同じように接しておられるか。
A 分け隔てなくやっている。それぞれ適正はある。出口さんはすごいと思う。

Q 顧客満足従業員満足。職場の環境の売りは?
A 28年ぶりに設備投資をし、工場を整備した。人がいないと仕事にならない。人の環境は大事、問題があれば変えていかなければならない。 

Q バイヤーと交渉する際障がい者雇用をしている事をお伝えし、会社のPRにされてはどうか
A 品質が一番だと思っている。そういった形の宣伝方法もあるのかと思った。これから宣伝してみようかと思う。


6.最後に:
 島根県食肉公社の皆様、和田珍味の皆様には、当日の案内、説明まで大変お世話になりました。ありがとうございました。
 ご参加いただいた事業所の皆様、関係機関の皆様ありがとうございました。

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